今月のイベントとして、一番注目しているのが、英国中銀の「Super Thursday」である。日本では未だに知名度が低く、FXの重要イベントとして定着していないようであるが、海外では米雇用統計と同じくらい認識度が高いイベントとなっている。

米英欧の主要国中央銀行は、3ヶ月に一度、マクロ経済予想を発表しているが、発表方法は、それぞれが独自のタイミングで行っている。米欧の中銀は、毎年3・6・9・12月の金融政策理事会の場で政策金利の発表と同時に公表。しかし、英国中銀だけは、2・5・8・11月に発表し、タイミングも金融政策発表から2週間後となっていた。

しかし英国中銀は2015年8月から、発表方法の変更に踏み切り、2・5・8・11月に限り、① 政策金利 ② 議事要旨 ③ マクロ経済予想をまとめた四半期インフレーション・レポートを同時に発表 ④ その30分後には、インフレ・レポートに関する総裁と副総裁による記者会見を開催する方向で変更された。全ての発表が一度に集中し、記者会見が続くこの日を、マーケット参加者は「Super Thursday」と名付けた。

2月8日 Super Thursday予想
今年最初のSuper Thursdayは、2月8日(木) ロンドン現地時間昼12時(日本時間21時)から始まり、その30分後に記者会見という運びとなる。

政策金利・QE策内容予想
政策金利 0.5% ・資産買入プログラム  4,350億ポンド ・社債 100億ポンド に関しては、全て据え置きがコンセンサス

政策金利決定に関する投票配分
議事要旨の中で公表されるのが、政策金利やQE策の変更の有無に関する理事達の投票配分である。英中銀金融政策理事会(MPC)は総裁を含む9名の理事で構成されており、全員が平等に1票を投じる。

昨年11月に10年ぶりの利上げに踏み切ったが、次の利上げは早くても今年の年末近くと予想されており、今月のSuper Thursdayでも「9対0」の全会一致で政策金利据え置きが予想されている。

四半期インフレーション・レポートの内容予想
今回のインフレーション・レポートの見所は、2つあるだろう。

① GDPとインフレ見通しの修正幅は?
② 次期利上げ時期の変更があるか?

記者会見での注意点
2016年6月にBrexit(英国のEU離脱)が決定して以来、先行き不安などを受け、英国経済はあまりパッとしない。2017年GDPも、お隣のユーロ圏は2.5%成長を遂げたようだが、英国はせいぜいよくて1.8%という予想となっている。

しかし、Brexit以降のポンド急落を受け、インフレ率は英中銀のインフレ目標:2%を抜け、インフレ目標バンド上限である3%も抜けてしまい、現在やっと3%に戻ってきたところである。

データ: 英国統計局(ONS)

物価安定の維持を責務とする英中銀にとり、インフレ率が再度3%を抜けて上昇していくことは、是が非でも食い止めたい。それもあり、今年に入ってから英中銀副総裁のブロードベント氏は、「このままでいけば、英国の利上げはマーケットが予想しているより、多めの回数実施される可能性に考慮すべき。」と警鐘を鳴らしている。

世界主要国の中で英国のインフレ率だけが群を抜いて上昇している理由のひとつに、Brexit以降のポンド安があげられる。しかし、昨年末から今年にかけて、ポンドは下げ止まり、一転して上昇している。

あくまでも筆者の予想であるが、記者会見につめかけた記者から、最近のポンド高に対し、どう思っているか?という質問が出るだろう。それに総裁なり副総裁が、どう答えるのか?それが今後のポンド動向を大きく左右するものと信じて疑わない。

ここからのポンド
英中銀総裁などから、ポンド高けん制発言が出ない限り、中期的にポンド/ドルは、200週移動平均線(SMA)が通る1.4385近辺までの上昇を予想する。

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